2024 年 41 巻 2 号 p. 67-72
中南米各国の政治腐敗を語るうえで、犯罪組織との関係を切り離すことはできない。ホンジュラスも例外ではなく、以前より麻薬密輸組織との癒着疑惑が持たれていた前大統領が米国の司法の場で裁かれ有罪となった。この問題も同様に、近年の歴代政権、司法、立法各府のなかに構造的に入り込んでいる問題である。実際に今回の裁判でも、検察側証人が歴代大統領を含めた政府高官、民間企業などの麻薬密輸関与を証言している。米国司法の追及はこれからも続くが、今後、カストロ政権と米国との関係や来年に選挙を控えたホンジュラス政治に少なからず影響を与えることが予想される。