2025 年 42 巻 2 号 p. 25-40
2024年7月の大統領選挙において、チャベス派が支配する選挙管理委員会はニコラス・マドゥロの勝利を宣言した。しかしその直後に反政府派はこれを否定し、エドムンド・ゴンサレスの圧勝を示す具体的証拠をインターネット上で公開した。これらの証拠の信憑性は極めて高く、ゴンサレス勝利という反政府派の主張には疑いの余地がほとんどない。選挙後亡命を余儀なくされたゴンサレスは、2025年1月の大統領就任日に帰国、就任することをめざしたが、マドゥロによって阻止され、結果的にマドゥロが「3期めに就任」した。
本稿第1節では、選挙の経緯を詳しく説明し、機械投票・自動集計システムが使われたことを利用して、反政府派がゴンサレス勝利を証明したことを示す。第2節では、マドゥロ側が反政府派への弾圧を強め、強権化を深めている状況を説明する。第3節では、国内に残る反政府派への弾圧が激化するなかで、重要性を増す国際社会の対応について考察する。