抄録
アゲハ♀とミヤマカラスアゲハ♂の間の1対の交配(1962年9月7日)より17卵を得,うち1卵がふ化して,普通の発育速度で5令期に達した.5令の途中より摂食速度がおちて最後には静止状態になったが,前蛹化の兆は見られず9月終から11月の終頃まで5令で過してそのまゝ死亡した.恐らくこの幼虫は前蛹化の能力をかいていたものと思われる.雑種幼虫は1令より4令までは種々の点で両親の一方又は中間の特徴をあらわし全体としては両親の中間であったが,5令幼虫は大部分の点でミヤマカラスアゲハの特徴をあらわしていた.即ち細い少数の点を徐けば,ミヤマカラスアゲハの5令幼虫と形態・色彩はアゲハのそれらに比して優性である.