日本物流学会誌ジャーナル
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グローバルロジスティクス組織発展形態の考察
唐澤 豊
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1992 年 1992 巻 1 号 p. 3-19

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抄録

ロジスティクスあるいは物流組織に関する研究は、わが国では皆無に近く、したがって国内組織に関する研究は、早期に着手しなければならない分野である。かかる刻下の研究環境化において、本研究では、グローバルロジスティクス組織の生成・発展を取り扱い、特にグローバル企業組織の発展段階とグローバルロジスティクス組織の発展段階とは強い相関関係が存在することに着目し、
・グローバル企業組織の発展は、初期の段階ではグローバルロジスティクス組織の発展に基本的な影響を与えるという仮説ないしは考察を提案し、これを検証し、
・グローバル組織の発展とグローバルロジスティクス組織との関係モデルを提案し、両者の相互関係を理論的に明らかにするとともに、
・わが国のグローバルロジスティクス組織の発展レベルをアンケート調査の実施と回収データの解析に基づき、実証的に明らかにする
ことを本研究の主要目的とした。
研究にプロセスとしては、第一にグローバル企業組織およびロジスティクス組織についてその理論を検証する。第二に両組織の発展モデル (仮説) を提案し、この相互関係を理論的に解明する。第三にアンケートデータに基づいてこの仮説を検証し、わが国の発展レベルを検証する。
結論的には、仮説または考察の有効性を検証でき、さらに提案したモデルの妥当性ならびにわが国のロジスティクス組織の発展ステップを明らかにすることができ、初期の目的を十分達成することができた。しかしながら、アンケートの回収データの面から産業別・売上高別などの特性の解析はもとより母集団の拡大、質問項目の改良などについては、今後の研究課題に譲ることにした。

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