日本物流学会誌
Online ISSN : 1884-6866
Print ISSN : 1349-3345
ISSN-L : 1349-3345
周期性のある2地点間連続出荷問題の効率的解法
今井 昭夫
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 1995 巻 4 号 p. 124-135

詳細
抄録

本研究では近年増えつつある多国籍型分散生産体制での、工場間の部品輸送の最適化アルゴリズムを提案する。通常これら工場間の部品輸送には定期船が用いられるが、1つの定期船航路には何社かの船が運行されており、それぞれの所要時間には差があるものの、それら複数の船を利用することにより部品の工場間の輸送時間を減少できる。この問題は対象船の中から最適解を求めるのに不必要な船を除外することにより線形整数計画問題として定式化できる。本問題の制約条件式の構造から線形計画法 (LP) でこの整数解が得られるが、本論文ではより効率的な対象船隻数の自乗のオーダの計算量を必要とするアルゴリズムを提案し、そのアルゴリズムとLPの計算実験を行った。その結果、提案したアルゴリズムはLPよりも計算時間がはるかに短く、また対象船の隻数と部品量が増えるほどその差が大きいことが明らかになった。

著者関連情報
© 日本物流学会
前の記事 次の記事
feedback
Top