2000 年 2000 巻 8 号 p. 107-117
昨今、サプライ・チェーン管理 (SCM) が盛んに注目を浴びている。しかし、SCMに対する認識は多種多様であり、混乱をもたらしている。今後、このことがSCMに関しての研究あるいは議論を阻害し、SCMの発展を損なう可能性がある。したがって、SCMの認識に対して、何らかの整理が必要である。それが、本稿の目的である。本稿では広範囲の文献レビューをとりおこなつた。その結果、SCMに対する認識は2つに集約された。1つはロジスティクス機能に限定した狭義のSCMである。もう1つは、サプライ・チェーン・プロセスに焦点をあて、機能領域をロジスティクスに限定しない広義のSCMである。