抄録
近年、中国における自動車生産が急速に増大したことにより、自動車部品メーカーの数もその生産量も急激に増加している。自動車部品メーカーによっては、何らかのデマンドプル型による顧客すなわち自動車組立メーカーに対する部品供給および生産の方法を導入している。トヨタ自動車のかんばん方式は、典型的なプルシステムであるが、それにこだわらず、他のデマンドプルあるいはカスタマードリブン型のシステムも在庫低減に対して効果的と考える。本研究においては、中国における自動車部品メーカーを分析して、いくつかのカテゴリーにグループ分けした。そして、プルすなわちカスタマードリブンによる部品供給および生産という観点でのマネジメントレベルを示すことを目的とした。なお、ここでは、かんばん方式だけでなく、広義のプル型システムを含めて検討した。
調査は、2004年の夏、中国の自動車部品メーカー20社を対象に行った。48の質問項目にしたがってインタビューを実施した。この調査結果をもとに、自動車部品メーカー20社を5つのカテゴリーにグループ分けすることができた。そして、本研究の結論として、各カテゴリーの特徴を説明した。また、これによって中国の自動車部品メーカーの自動車組立メーカーに対するデマンドプル型の部品供給および生産の現状について明らかにすることができた。