哺乳類科学
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短報
乗鞍岳畳平で人身事故を引き起こしたツキノワグマの食性履歴の推定
―安定同位体分析による食性解析―
中下 留美子鈴木 彌生子林 秀剛泉山 茂之中川 恒祐八代田 千鶴淺野 玄鈴木 正嗣
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2010 年 50 巻 1 号 p. 43-48

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抄録
2009年9月19日,乗鞍岳の畳平(岐阜県高山市)で発生したツキノワグマ(Ursus thibetanus)による人身事故について,加害個体の炭素および窒素安定同位体比による食性解析を行った.体毛の炭素・窒素安定同位体比は,他の北アルプスの自然個体と同様の値を示した.さらに,体毛の成長過程に沿って切り分けて分析を行った結果についても,過去2年間の食性履歴において残飯に依存した形跡は見られなかった.当該個体は,観光客や食堂から出る残飯等に餌付いた可能性が疑われていたが,そのような経歴の無い,高山帯を生息圏の一部として利用する個体である可能性が高いことが明らかとなった.
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© 2010 日本哺乳類学会
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