抄録
九州産食虫性コウモリ類13種(キクガシラコウモリRhinolophus ferrumequinum,コキクガシラコウモリRhinolophus cornutus,モモジロコウモリMyotis macrodactylus,ノレンコウモリMyotis nattereri,クロホオヒゲコウモリMyotis pruinosus,アブラコウモリPipistrellus abramus,ヒナコウモリVespertilio sinensis,ヤマコウモリNyctalus aviator,テングコウモリMurina leucogaster,コテングコウモリMurina ussuriensis,リュウキュテングコウモリMurina ryukyuana,ユビナガコウモリMiniopterus fuliginosus,オヒキコウモリTadarida insignis)について,精査音と探索音を録音し,パルスの形状と計測項目:終部周波数(EF),ピーク周波数(PF),持続時間(D)を採用して,種の判別を試みた.その結果,主成分分析での比較的高い分離と判別分析での好成績を示すとともに,パルスの形状や測定項目の最大・最小値の組み合わせによって,音声による種の判別が可能であった.今回の方法の有用性について展望するとともに,九州産食虫性コウモリの音声未記録種を含めて音声同定のための検索表の確立を図りたい.