2016 年 56 巻 1 号 p. 37-41
岩手県盛岡市で新規に分布域が拡大したニホンジカ(Cervus nippon)個体群の生息地利用と性別割合を2年にわたり赤外線センサー付きカメラを用いて調べた.時間帯毎の撮影頭数には有意な偏りがあり,林地では日の出と日没前後に撮影頭数が増加したのに対し,果樹園では日没前後と深夜に撮影頭数が増加した.また,調査期間を前期(2011年12月~2012年11月)と後期(2012年12月~2013年11月)に分け,ニホンジカの撮影頻度と性別割合を比較したところ,後期には撮影頻度が2倍に増加し,雌の撮影割合が増加した.