哺乳類科学
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特集 やんばる国立公園・奄美群島国立公園指定記念:中琉球の哺乳類の生態,行動,保全
オキナワトゲネズミは夏期に昼行性,冬期に夜行性を示す
久高 奈津子久高 將和
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2017 年 57 巻 2 号 p. 235-239

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抄録

沖縄島北部においてオキナワトゲネズミTokudaia muenninki(齧歯目ネズミ科)を対象とした自動撮影カメラによる調査を行ったところ,オキナワトゲネズミは夏期と冬期で日周活動を変化させることが示唆された.すなわち,夏期の調査(6月下旬~9月下旬:日平均気温の旬平均25.3–26.9°C)ではすべて昼間に撮影され(n=12),冬期の調査(1月初旬~3月下旬:日平均気温の旬平均13.8–17.5°C)ではすべて夜間に撮影された(n=13).一方,同所的に生息する外来種クマネズミRattus rattusは時期を問わずすべて夜間に撮影され(夏n=6,冬n=15),クマネズミとオキナワトゲネズミは冬期にのみ日周活動性が一致した.本研究によって,これまでほとんど知られていなかったオキナワトゲネズミの特異な行動の一端があきらかとなった.今後さらに調査を行い,本種のこの特異な行動と本種の個体群衰退との関係性についてさらに検討する必要がある.

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© 2017 日本哺乳類学会
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