マーケティングジャーナル
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Print ISSN : 0389-7265
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態度の両価性と消費者行動研究
中川 正悦郎
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2014 年 34 巻 2 号 p. 90-100

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抄録

本稿は,態度の両価性に関する主要な先行研究を整理したうえで,消費者行動研究において同概念に注目することの意義,および,今後の研究課題を示すことを目的とする。態度の両価性は,同一の態度対象に対して,人が正の評価と負の評価を同時に有している心的状態を表す概念であり,主に社会心理学において研究が蓄積されてきた概念である。もっとも,近年はさまざまな学問領域の態度研究において同概念に対する関心が高まっており,消費者行動研究においても同概念に注目した研究が次第に増えつつある。そこで,本稿では,同概念は消費者行動のどのような側面を捉える場合に有用であり,マーケティングとの関わりにおいて,どのような点が今後の重要な研究課題となるのかについて考える。

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© 2014 The Author(s).
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