マーケティングジャーナル
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特集論文 / 招待査読論文
消費者の制御焦点と広告回避
竹内 亮介
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2018 年 38 巻 2 号 p. 39-51

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Abstract

消費者は,広告を回避する傾向にあるため,広告回避は,広告主や広告会社にとって最も深刻な懸念事項の1つである。広告回避に関する既存研究は,広告に露出した消費者が,完全広告視聴・不完全広告回避・完全広告回避の中からいずれかを選択する可能性を暗示してきたものの,なぜ彼らはそのような選択を行うかという問いに解答を与えることができていない。そこで本研究は,制御焦点理論に依拠したうえで,上記の問いに解答を与えようと試みる。より具体的にいえば,上述した3つの行為を巡る消費者の選択は,制御焦点や広告情報の訴求点から影響を受けるという仮説を導出する。本研究の知見は,(1)促進焦点の消費者は,広告情報がポジティブ(/ネガティブ)な結果に関する情報であるならば,完全広告視聴(/不完全広告回避)を選択する点,(2)予防焦点の消費者は,ネガティブな結果に関する広告情報の有無を制御参照と見なす場合,広告情報がポジティブ(/ネガティブ)な結果に関する情報であるならば,不完全広告回避(/完全広告視聴)を選択する点,および(3)予防焦点の消費者は,努力の有無を制御参照と見なす場合,完全広告回避を選択する点である。

I. 問題意識

企業は,製品やサービスを消費者に提供する代わりに,彼らに対価を支払ってもらうという交換関係の構築や維持を目指して,多様なマーケティング活動を展開している。その中でも,広告は,経済的かつ効率的に,製品やサービスに関するアイディアを広告情報として伝達しうるマーケティング活動として特徴づけることができる(Shaw, 1915, p. 93)。広告が効果を発揮した状況の下では,企業と消費者の交換関係が構築されたり維持されたりする可能性は高いであろう。

しかしながら,広告が必ずしも効果を発揮するとは限らないということに注意しなければならない。というのも,消費者は,露出した広告を回避してしまう恐れがあるためである(Kotler, 2008, p. vii)。実際に,15,000名以上を対象に実施された調査が,消費者は雑誌広告の39.2%,新聞広告の41.6%,ダイレクトメール広告の51.2%,インターネット広告の74.7%,テレビ広告の74.7%,およびラジオ広告の75.0%を回避しているという結果を報告している(SIFO Research International, 2008, p. 5)。広告回避――すなわち,「広告を視聴しないようにする,メディア利用者のあらゆる行為」(Speck & Elliott, 1997a, p. 42)――に起因して,広告が効果を発揮しなかった状況の下では,企業と消費者の交換関係が構築されたり維持されたりする可能性は低いであろう。以上のように,広告回避は,上述した交換関係の構築や維持を左右しうるため,研究主題として探究に値する重要なマーケティング現象であるといえよう。

広告回避に関する既存研究は,主として,広告回避の前件要因を識別することによって,「なぜ広告に露出した消費者は,広告視聴を行ったり,広告回避を行ったりするのか」という問いに解答を与えようと試みてきた(e.g., Baek & Morimoto, 2012; Cho & Cheon, 2004; Edwards, Li, & Lee, 2002; Elliott & Speck, 1998; Huh, Delorme, & Reid, 2015; Kelly, Kerr, & Drennan, 2010; Ketelaar, Konig, Smit, & Thorbjørnsen, 2015; Li, Edwards, & Lee, 2002; Nishimura, 2010; Prendergast, Tsang, & Cheng, 2014; Rojas-Mendez, Davies, & Madran, 2009; Seyedghorban, Tahernejad, & Matanda, 2016; Speck & Elliott, 1997a, 1997b)。注目すべきことに,既存研究が謂うところの「広告視聴」が,完全広告視聴(広告情報をすべて取得する行為)を指しているのに対して,「広告回避」は,不完全広告回避(広告情報を部分的に取得する行為)を指していることもあれば,完全広告回避(広告情報を全く取得しない行為)を指していることもある。それゆえに,上記の既存研究は,広告に露出した消費者が,完全広告視聴,不完全広告回避,および完全広告回避の中からいずれかを選択する可能性を暗示してきたといえよう。

消費者が不完全広告回避を行った場合には,広告効果は部分的に発揮される一方,彼らが完全広告回避を行った場合には,広告効果は全く発揮されない。このように異なる帰結を導く点において,不完全広告回避と完全広告回避は,異なる行為である。それにもかかわらず,広告回避に関する既存研究は,両者を峻別してこなかったため,「なぜ広告に露出した消費者は,完全広告視聴を行ったり,不完全広告回避を行ったり,完全広告回避を行ったりするのか」という基本的な問いに解答を与えることができていない。このような現状に鑑みて,本研究は,上記の問いに解答を与えようと試みたい。その際に中核的な役割を果たすのが,制御焦点理論(Higgins, 1997, 1998, 2012)である。

II. 既存研究レビュー

1. 広告回避

前章において指摘したとおり,広告回避に関する既存研究は,広告回避の前件要因を識別することによって,「なぜ広告に露出した消費者は,広告視聴を行ったり,広告回避を行ったりするのか」という問いに解答を与えようと試みてきた(表1を参照)。注目すべきことに,既存研究が謂うところの「広告視聴」が,完全広告視聴を指しているのに対して,「広告回避」は,不完全広告回避を指していることもあれば,完全広告回避を指していることもある。

表1

広告回避に関する既存研究の概要

出典)Takeuchi (2017), pp.153–154の表1-2を修正・統合。

まず,広告回避として不完全広告回避を想定してきた既存研究は,広告情報への懐疑心,プライバシー侵害の懸念,および有用性に関する3種類の仮説を提唱してきた。第一の仮説は,広告情報への懐疑心が不完全広告回避に正の影響を及ぼすという仮説である。ただし,広告情報への懐疑心は,「広告の情報供与的な主張を信用することができない傾向」(Baek & Morimoto, 2012, p. 62)と定義される概念である。また,それと真逆の意味を有する概念として,信用性(Ketelaar et al., 2015)が用いられることもある。第二の仮説は,プライバシー侵害の懸念が不完全広告回避に正の影響を及ぼすという仮説である。ただし,プライバシー侵害の懸念は,「個人情報の開示を防ぐ権利が広告によって侵害されていると消費者が心配している程度」(Baek & Morimoto, 2012, p. 63)と定義される概念である。第三の仮説は,有用性が不完全広告回避に負の影響を及ぼすという仮説である。ただし,有用性は,「広告情報が役に立つ,あるいは価値を有すると知覚される程度」(Huh et al., 2015, p. 405)と定義される概念であり,知覚個人化(Baek & Morimoto, 2012)と呼称されることもある。

上記の3種類の仮説に関して重要な点は,各前件要因の水準がどの程度であるかについて消費者が知覚するためには,単に広告に露出するだけでは十分でなく,少なくとも部分的には広告情報を取得したうえでその内容まで吟味する必要があるということである。それゆえに,広告情報への懐疑心やプライバシー侵害の懸念の水準が高いか,有用性の水準が低い結果として消費者が不完全広告回避を行う場合には,広告効果は部分的に発揮されることになる。

他方,広告回避として完全広告回避を想定してきた既存研究は,広告媒体への懐疑心,侵入性,知覚広告クラッター,および負の事前経験に関する4種類の仮説を提唱してきた。第一の仮説は,広告媒体への懐疑心が完全広告回避に正の影響を及ぼすという仮説である。ただし,広告媒体への懐疑心は,「広告媒体に信憑性が欠如している程度」(Kelly et al., 2010, p. 22)と定義される概念である。第二の仮説は,侵入性が完全広告回避に正の影響を及ぼすという仮説である。ただし,侵入性は,「認知処理が遮断されたと知覚される程度」(Li et al., 2002, p. 39)と定義される概念であり,遮断性(Speck & Elliott, 1997a),情報探索の阻害(Elliott & Speck, 1998; Speck & Elliott, 1997b),あるいは目標の妨害に対する知覚(Cho & Cheon, 2004; Nishimura, 2010; Prendergast et al., 2014; Seyedghorban et al., 2016)と呼称されることもある。第三の仮説は,知覚広告クラッターが完全広告回避に正の影響を及ぼすという仮説である。ただし,知覚広告クラッターは,「メディアにおける広告量が過剰であるという信念」(Speck & Elliott, 1997a, p. 40)と定義される概念である。第四の仮説は,負の事前経験が完全広告回避に正の影響を及ぼすという仮説である。ただし,負の事前経験は,「(過去に露出ないし視聴した広告に)満足しておらず,有用性や刺激が欠如していた程度」(Cho & Cheon, 2004, p. 93,括弧内は本研究の著者によって補足)と定義される概念である。

上記の4種類の仮説に関して重要な点は,各前件要因の水準がどの程度であるかについて消費者が知覚するためには,単に広告に露出するだけで十分であり,広告情報を取得したうえでその内容まで吟味する必要が全くないということである。それゆえに,広告媒体への懐疑心,侵入性,知覚広告クラッター,あるいは負の事前経験の水準が高い結果として消費者が完全広告回避を行う場合には,広告効果は全く発揮されないことになる。

以上のとおり,広告効果に関して異なる帰結を導く点において,不完全広告回避と完全広告回避は,異なる行為であるといえよう。それにもかかわらず,広告回避に関する既存研究は,両者を峻別してこなかったため,「なぜ広告に露出した消費者は,完全広告視聴を行ったり,不完全広告回避を行ったり,完全広告回避を行ったりするのか」という基本的な問いに解答を与えることができていない。

2. 制御焦点理論

前節の末尾において指摘した問いに解答を与えようと本研究が試みる際に中核的な役割を果たすのが,制御焦点理論(Higgins, 1997, 1998, 2012)である。同理論の主唱者であるHigginsは,人間が快に接近したり不快を回避したりするように動機づけられていると示唆する古典的な快感原則を改良していく必要性を強調した(Higgins, 1997, p. 1280)。そのうえでHigginsは,人間が望ましい最終状態に接近したり望ましくない最終状態を回避したりするように動機づけられているという快感原則と同様の仮定を保持しつつ,以下のとおり,快感原則と大きく異なる仮定を提示した。

第一に,制御焦点理論は,望ましい最終状態にも望ましくない最終状態にも,それぞれ複数の異なった状態があると仮定した。より具体的にいえば,前者には,ポジティブな結果が得られる状態とネガティブな結果が得られない状態がある一方,後者には,ポジティブな結果が得られない状態とネガティブな結果が得られる状態がある(Higgins, 1997, pp. 1281–1282)。上述した4つの状態のように,接近や回避の基準としての役割を果たす状態は,制御参照と呼称されている(Higgins, 1997, p. 1294)。第二に,制御焦点理論は,人間が望ましい最終状態に接近したり望ましくない最終状態を回避したりする際に,質的に異なる種類の方略を用いるとも仮定した。そのような相違を生み出す動機づけの仕組みが制御焦点であり,促進焦点と予防焦点の2種類に大別されている(Higgins, 1997, p. 1281; Higgins, 2012, p. 489)。

一方の促進焦点とは,成長・前進・達成に関係した制御焦点のことであり,個人要因と状況要因の双方によって引き起こされる。より具体的にいえば,周囲からの支援を通じて養護されたいというニーズや高い理想を個人が有する場合,また,利得の有無に関する情報が伝達される状況に彼らが置かれた場合,促進焦点は引き起こされる(Higgins, 1997, p. 1282)。個人要因と状況要因のいずれに起因しているかに関係なく,促進焦点を有している人間は,ポジティブな結果の有無に対して高い感受性を有しているため,ポジティブな結果が得られる状態に接近したり,ポジティブな結果が得られない状態を回避したりする(Higgins, 1997, p. 1282; Higgins, 1998, p. 16)。最終的に彼らは,そのような接近や回避に成功した場合には,快活に関連した情動を抱く一方,そのような接近や回避に失敗した場合には,落胆に関連した情動を抱く。例えば,前者の情動としては,幸福感が挙げられる一方,後者の情動としては,悲しみが挙げられる(Higgins, 1997, p. 1289; Higgins, 2012, p. 490)。

他方の予防焦点とは,安全・責任・保護に関係した制御焦点のことであり,個人要因と状況要因の双方によって引き起こされる。より具体的にいえば,危険を退けて安全を確保したいというニーズや強い義務感を個人が有する場合,また,損失の有無に関する情報が伝達される状況に彼らが置かれた場合,予防焦点は引き起こされる(Higgins, 1997, p. 1282)。個人要因と状況要因のいずれに起因しているかに関係なく,予防焦点を有している人間は,ネガティブな結果の有無に対して高い感受性を有しているため,ネガティブな結果が得られない状態に接近したり,ネガティブな結果が得られる状態を回避したりする(Higgins, 1997, p. 1282; Higgins, 1998, p. 16)。最終的に彼らは,そのような接近や回避に成功した場合には,平穏に関連した情動を抱く一方,そのような接近や回避に失敗した場合には,動揺に関連した情動を抱く。例えば,前者の情動としては,落ち着きが挙げられる一方,後者の情動としては,緊張感が挙げられる(Higgins, 1997, p. 1289; Higgins, 2012, p. 490)。

III. 仮説

1. 仮定

消費者は,広告に露出すると,完全広告視聴,不完全広告回避,および完全広告回避の中からいずれかを選択する。これら3種類の行為は,第1章において指摘したとおり,広告情報をすべて取得する行為,広告情報を部分的に取得する行為,および広告情報を全く取得しない行為とそれぞれ定義される。強調すべきことに,完全広告視聴や不完全広告回避に必要な努力量はゼロでない一方,完全広告回避に必要な努力量はゼロである。

以上の議論は,次の仮定1に要約されるとおりである。

仮定1:広告に露出した消費者が選択できる行為は,完全広告視聴,不完全広告回避,および完全広告回避である。

次に,消費者が取得しうる広告情報は,2種類に大別される。第一の広告情報は,製品やサービスを通じてポジティブな結果が得られる点を訴求している広告情報(以下,ポジティブな結果に関する広告情報)である。第二の広告情報は,製品やサービスを通じてネガティブな結果が得られない点を訴求している広告情報(以下,ネガティブな結果に関する広告情報)である。例えば,腕時計という製品カテゴリーの場合,前者としては,洗練されたデザインを訴求している広告情報が挙げられる一方,後者としては,故障のしにくさを訴求している広告情報が挙げられる。

以上の議論は,次の仮定2に要約されるとおりである。

仮定2:広告情報は,製品やサービスを通じてポジティブな結果が得られる点,または,製品やサービスを通じてネガティブな結果が得られない点のいずれかを訴求している。

続いて,消費者が有している促進焦点の傾向は,予防焦点の傾向と比べて強かったり,弱かったりする。促進焦点の傾向が予防焦点の傾向と比べて強い消費者(以下,促進焦点を有している消費者)の行為を司る最も基本的な原理は,彼らが,ポジティブな結果の有無に対して高い感受性を有しているため,ポジティブな結果が得られる状態に接近したり,ポジティブな結果が得られない状態を回避したりするということである(Higgins, 1997, p. 1282; Higgins, 1998, p. 16)。重要なことに,広告に露出した彼らは,ポジティブな結果に関する広告情報の有無を制御参照と見なすため,彼らにとって,ポジティブな結果が得られる状態は,ポジティブな結果に関する広告情報を取得できる状態を指している一方,ポジティブな結果が得られない状態は,そのような広告情報を取得できない状態を指している。それゆえに,彼らは,ポジティブな結果に関する情報を訴求している広告に接近したり,そのような情報を訴求していない広告を回避したりすることになる。

以上の議論は,次の仮定3に要約されるとおりである。

仮定3:促進焦点を有している消費者は,ポジティブな結果に関する情報を訴求している広告に接近したり,そのような情報を訴求していない広告を回避したりする。

最後に,予防焦点の傾向が促進焦点の傾向と比べて強い消費者(以下,予防焦点を有している消費者)の行為を司る最も基本的な原理は,彼らが,ネガティブな結果の有無に対して高い感受性を有しているため,ネガティブな結果が得られない状態に接近したり,ネガティブな結果が得られる状態を回避したりするということである(Higgins, 1997, p. 1282; Higgins, 1998, p. 16)。重要なことに,広告に露出した彼らは,ネガティブな結果に関する広告情報の有無を制御参照と見なすこともあれば,努力の有無を制御参照と見なすこともある。第一に,ネガティブな結果に関する広告情報の有無を制御参照と見なす者にとって,ネガティブな結果が得られない状態は,ネガティブな結果に関する広告情報を取得できる状態を指している一方,ネガティブな結果が得られる状態は,そのような広告情報を取得できない状態を指している。それゆえに,彼らは,ネガティブな結果に関する情報を訴求している広告に接近したり,そのような情報を訴求していない広告を回避したりすることになる。

第二に,努力の有無を制御参照と見なす者にとって,ネガティブな結果が得られない状態は,広告情報の取得に必要な努力量――いわば,認知的コストを投じなければならないという意味においてネガティブな結果を引き起こす変数――がゼロである状態を指している一方,ネガティブな結果が得られる状態は,そのような努力量がゼロでない状態を指している。それゆえに,彼らは,広告情報の取得に必要な努力量を最小化しようとすることになる。

以上の議論は,次の仮定4a~仮定4bに要約されるとおりである。

仮定4a:予防焦点を有している消費者は,ネガティブな結果に関する広告情報の有無を制御参照と見なす場合には,ネガティブな結果に関する情報を訴求している広告に接近したり,そのような情報を訴求していない広告を回避したりする。

仮定4b:予防焦点を有している消費者は,努力の有無を制御参照と見なす場合には,広告情報の取得に必要な努力量を最小化しようとする。

2. 仮説

(1) 消費者の促進焦点と広告回避

前節において明示した仮定を踏まえて,本項と次項においては,「なぜ広告に露出した消費者は,完全広告視聴を行ったり,不完全広告回避を行ったり,完全広告回避を行ったりするのか」という問いに解答を与えるための仮説を導出する。仮説を導出する際に鍵となる概念は,消費者の促進焦点と予防焦点である。

促進焦点を有している消費者は,ポジティブな結果に関する情報を訴求している広告に接近したり,そのような情報を訴求していない広告を回避したりする。このような行為をとる彼らは,広告に露出すると,その広告からポジティブな結果に関する情報を取得できるか否かについて判断するために,完全広告視聴,不完全広告回避,および完全広告回避という3つの選択肢の中から完全広告回避を除外して,一旦は広告情報の一部を取得するであろう。

部分取得した広告情報が,ポジティブな結果に関する情報であるならば,促進焦点を有している消費者は,露出した広告からそのような情報をさらに取得しうると判断すると考えられる。それゆえに,彼らは最終的に,完全広告視聴と不完全広告回避の中から前者を選択するであろう。他方,部分取得した広告情報が,ネガティブな結果に関する情報であるならば,促進焦点を有している消費者は,露出した広告からポジティブな結果に関する情報を取得しえないと判断すると考えられる。それゆえに,彼らは最終的に,完全広告視聴と不完全広告回避の中から後者を選択するであろう。

以上より,次の仮説1a~仮説1bを導出する。

仮説1a:促進焦点を有している消費者は,広告情報がポジティブな結果に関する情報であるならば,完全広告視聴を選択する。

仮説1b:促進焦点を有している消費者は,広告情報がネガティブな結果に関する情報であるならば,不完全広告回避を選択する。

(2) 消費者の予防焦点と広告回避

予防焦点を有している消費者は,努力の有無ではなくネガティブな結果に関する広告情報の有無を制御参照と見なす場合には,ネガティブな結果に関する情報を訴求している広告に接近したり,そのような情報を訴求していない広告を回避したりする。このような行為をとる彼らは,広告に露出すると,その広告からネガティブな結果に関する情報を取得できるか否かについて判断するために,完全広告視聴,不完全広告回避,および完全広告回避という3つの選択肢の中から完全広告回避を除外して,一旦は広告情報の一部を取得するであろう。

部分取得した広告情報が,ポジティブな結果に関する情報であるならば,予防焦点を有している消費者は,露出した広告からネガティブな結果に関する情報を取得しえないと判断すると考えられる。それゆえに,彼らは最終的に,完全広告視聴と不完全広告回避の中から後者を選択するであろう。他方,部分取得した広告情報が,ネガティブな結果に関する情報であるならば,予防焦点を有している消費者は,露出した広告からそのような情報をさらに取得しうると判断すると考えられる。それゆえに,彼らは最終的に,完全広告視聴と不完全広告回避の中から前者を選択するであろう。

以上より,次の仮説2a~仮説2bを導出する。

仮説2a:予防焦点を有している消費者は,ネガティブな結果に関する広告情報の有無を制御参照と見なす場合には,広告情報がポジティブな結果に関する情報であるならば,不完全広告回避を選択する。

仮説2b:予防焦点を有している消費者は,ネガティブな結果に関する広告情報の有無を制御参照と見なす場合には,広告情報がネガティブな結果に関する情報であるならば,完全広告視聴を選択する。

翻って,予防焦点の消費者は,ネガティブな結果に関する広告情報の有無ではなく努力の有無を制御参照と見なす場合には,広告情報の取得に必要な努力量を最小化しようとする。このような行為をとる彼らは,広告に露出すると,完全広告視聴,不完全広告回避,および完全広告回避という3つの選択肢の中から完全広告回避――すなわち,必要な努力量がゼロである唯一の行為――を選択するであろう。

以上より,次の仮説2cを導出する。

仮説2c:予防焦点を有している消費者は,努力の有無を制御参照と見なす場合には,完全広告回避を選択する。

IV. 実験

1. 計画

前章において導出した仮説群の経験的テストに必要な消費者データを収集するために,実験室実験を行った。実験参加者は,177名の大学生であった。彼らの平均年齢は19.6歳であり,男性の比率は43.5%であった。

実験計画は,3×2の混合実験計画であった。第一の要因は「制御焦点」であり,3水準の被験者間要因であった(促進焦点/予防焦点[制御参照がネガティブな結果に関する広告情報の有無]/予防焦点[制御参照が努力の有無])。また,第二の要因は「広告情報の訴求点」であり,2水準の被験者内要因であった(ポジティブな結果が得られる点/ネガティブな結果が得られない点)。

2. 材料

まず,ビジネス雑誌に掲載されている広告を実験対象に定めた。広告媒体として雑誌を選定した理由は,実験上の複雑な統制が容易なためである(Keller, 1987, p. 320)。他方,雑誌のカテゴリーとしてビジネスを選定した理由は,実験参加者にとって雑誌の記事を閲覧することが不自然でなく,かつ,雑誌の記事の閲覧行為に男女間で差異が生じにくいと考えられるためである。

次に,雑誌と特集記事のペアを選定するために,事前テストIを実施した。第一に,雑誌専門のあるオンラインサイト上で発表されたビジネス雑誌ランキングにおける上位10誌の中から,業界特定的でなく,かつ,日本語が使用されている7誌を選定した。第二に,この7誌のバックナンバーの中から,実験参加者にとって閲覧することが不自然でないと考えられる特集記事を選定した。第三に,それら7組の雑誌と特集記事のペアに関する興味について,21名の大学生に回答してもらった。質問項目は,「この雑誌の特集に興味がある」であり,用いた尺度は,7点リッカート尺度であった。第四に,雑誌と特集記事のペアに関する興味を統制するために,その平均値が4点(7点リッカート尺度によって測定しうる1点~7点の中央値)に最も近いペアを1つ選定した。実験対象に選定したペアの興味の平均値は4.048であった。

最後に,広告を選定するために,事前テストIIを実施した。第一に,事前テストIを通じて選定した特集記事が展開された号に掲載された広告,および,同号と同一の月に刊行された他の3号に掲載された広告を含む,合計13枚の広告を用意した。このとき,実験参加者に未成年の者が含まれるということを考慮して,酒類とタバコの広告は,実験対象の候補から除外した。13枚の広告の内,4枚は表紙の次に掲載された2ページ分の広告(以下,見開き広告),5枚は表紙と裏表紙の間のいずれかのページに掲載された1ページ分の広告(以下,片面広告),そして4枚は裏表紙に掲載された1ページ分の広告(以下,裏表紙広告)であった。第二に,上記の13枚の広告に関する興味について,20名の大学生に回答してもらった。質問項目は,「この広告に興味がある」であり,用いた尺度は,7点リッカート尺度であった。第三に,広告に関する興味を統制するために,見開き広告,片面広告,および裏表紙広告のそれぞれについて,興味の平均値が4点(7点リッカート尺度によって測定しうる1点~7点の中央値)に最も近い広告を選定した。実験対象に選定したのは,革靴の見開き広告,非営利事業の片面広告,および腕時計の裏表紙広告であり,それらの興味の平均値は,それぞれ3.900,4.300,および3.850であった。

3. 手続

まず,要求特性の効果を最小化するために,雑誌記事に関する消費者の意見を企業に提供するという架空の実験目的を実験参加者に伝えた。次に,広告の色彩を統制するためにグレースケールで印刷した雑誌と,各質問項目が収録された質問票を彼らに配布した。雑誌は,表紙,革靴の見開き広告,非営利事業の片面広告,目次,特集記事,および腕時計の裏表紙広告によって構成されており,それぞれのページ数は,1,2,1,1,6,および1であった。これらの内,革靴の見開き広告は,ポジティブな結果が得られる点として,広告対象ブランドのデザインが洗練されている点を訴求していた一方,腕時計の裏表紙広告は,ネガティブな結果が得られない点として,広告対象ブランドが故障しにくい点を訴求していた。

次に,制御焦点と制御参照を測定するための質問項目へ実験参加者に回答してもらったうえで,出来る限り普段と同じように雑誌を閲覧するよう依頼した。なお,事前に協力してもらった2名の大学生が雑誌を閲覧し終えるまでにともに約7分間を要したということに基づいて,雑誌の閲覧時間を7分間に設定した。雑誌の閲覧が終了した後,革靴の見開き広告や腕時計の裏表紙広告への露出を測定するための質問項目と,各広告に露出した後に選択した行為を測定するための質問項目へ実験参加者に回答してもらった。

最後に,実際の実験目的は消費者の広告回避について分析することであったという点と,本研究の著者が実在する雑誌をもとに実験用の雑誌を新たに作成したという点を実験参加者に伝えることによって,デブリーフィングを実施した。

4. 測定

前節において言及したとおり,実験室実験において,(1)制御焦点,(2)制御参照,(3)広告への露出,および(4)広告に露出した後に選択した行為を測定するための質問項目へ実験参加者に回答してもらった。これらの内,(1)以外については,参照可能な既存研究が存在しなかったため,本研究が独自に開発した質問項目を用いた。

第一に,促進焦点と予防焦点に関する質問項目(Haws, Dholakia, & Bearden, 2010)と7点リッカート尺度を用いることによって,制御焦点を測定した。具体的な質問項目は,表2に掲載されているとおりである。促進焦点と予防焦点に関する質問項目のクロンバックのα係数は,それぞれ0.747と0.762であったため,信頼性は確保されたと判断しうるであろう。その後,促進焦点の平均値と予防焦点の平均値の差の値――すなわち,促進焦点の傾向が予防焦点の傾向と比べて強い程度――を実験参加者ごとに算出したうえで,中央値折半法を用いることによって,上記の差の値が中央値の–0.600より大きい実験参加者をA群(n=88)に割り当てた一方,上記の差の値が中央値以下である実験参加者をB群(n=89)に割り当てた。なお,A群における促進焦点の平均値である4.318は,B群における促進焦点の平均値である2.872と比べて有意に高い(t[175]=9.854, p=0.000, d=1.481)一方,A群における予防焦点の平均値である3.157は,B群における予防焦点の平均値である4.429と比べて有意に低い(t[175]=–9.811, p=0.000, d=1.475)ということが示された。

表2

制御焦点を測定するための質問項目

出典)Haws et al. (2010), p. 979。

第二に,「広告が目に入った後に気にする点は,広告メッセージの内容/必要な労力や時間である」という選択式の質問項目を用いることによって,制御参照(ネガティブな結果に関する広告情報の有無/努力の有無)を測定した。この質問項目への回答を踏まえたうえで,B群に属する実験参加者を,制御参照がネガティブな結果に関する広告情報の有無であるB1群(n=47)と,制御参照が努力の有無であるB2群(n=42)に割り当てた。

第三に,「革靴の広告が目に入った」と「腕時計の広告が目に入った」という質問項目を用いることによって,各広告への露出を測定した。その際には,上記の質問項目とあわせて,各広告の画像も提示した。A群に属する実験参加者の内,革靴の広告に露出した者は82名である一方,腕時計の広告に露出した者は77名であった。B1群に属する実験参加者の内,革靴の広告に露出した者は42名である一方,腕時計の広告に露出した者は43名であった。B2群に属する実験参加者の内,革靴の広告に露出した者は37名である一方,腕時計の広告に露出した者は39名であった。

第四に,「革靴の広告が目に入った後,広告メッセージを全て読んだ/少しは読んだ/全く読まなかった」と「腕時計の広告が目に入った後,広告メッセージを全て読んだ/少しは読んだ/全く読まなかった」という選択式の質問項目を用いることによって,各広告に露出した後に選択した行為(完全広告視聴/不完全広告回避/完全広告回避)を測定した。

V. 分析結果

1. 仮説の検定

完全広告視聴,不完全広告回避,および完全広告回避を選択した実験参加者の観測度数(上段)と期待度数(下段)は,表3に示されているとおりである。独立性の検定を行った結果,制御焦点と広告情報の訴求点の間に有意な連関があるということが示された(χ2[8]=26.793, p=0.001, Cramer’s V=0.205)。

表3

各行為を選択した実験参加者の観測度数と期待度数

注)*は1%水準,**は5%水準,***は10%水準で有意に期待度数と異なる。

まず,仮説1aは,「促進焦点を有している消費者は,広告情報がポジティブな結果に関する情報であるならば,完全広告視聴を選択する」であった(第3章第2節第1項を参照)。該当する条件において,完全広告視聴,不完全広告回避,および完全広告回避を選択した実験参加者の観測度数(/期待度数)は,それぞれ40(/29.725),25(/29.981),および17(/22.294)であった。Habermanの残差分析を行った結果,完全広告視聴を選択した者の観測度数は,期待度数と比べて有意に多いということが示された(d=2.737, p=0.006)。以上より,仮説1aは支持されたといいうるであろう。

次に,仮説1bは,「促進焦点を有している消費者は,広告情報がネガティブな結果に関する情報であるならば,不完全広告回避を選択する」であった(第3章第2節第1項を参照)。該当する条件において,完全広告視聴,不完全広告回避,および完全広告回避を選択した実験参加者の観測度数(/期待度数)は,それぞれ23(/27.913),36(/28.153),および18(/20.934)であった。Habermanの残差分析を行った結果,不完全広告回避を選択した者の観測度数は,期待度数と比べて有意に多いということが示された(d=2.131, p=0.033)。以上より,仮説1bも支持されたといいうるであろう。

続いて,仮説2aは,「予防焦点を有している消費者は,ネガティブな結果に関する広告情報の有無を制御参照と見なす場合には,広告情報がポジティブな結果に関する情報であるならば,不完全広告回避を選択する」であった(第3章第2節第2項を参照)。該当する条件において,完全広告視聴,不完全広告回避,および完全広告回避を選択した実験参加者の観測度数(/期待度数)は,それぞれ11(/15.225),22(/15.356),および9(/11.419)であった。Habermanの残差分析を行った結果,不完全広告回避を選択した者の観測度数は,期待度数と比べて有意に多いということが示された(d=2.284, p=0.022)。以上より,仮説2aも支持されたといいうるであろう。

さらに,仮説2bは,「予防焦点を有している消費者は,ネガティブな結果に関する広告情報の有無を制御参照と見なす場合には,広告情報がネガティブな結果に関する情報であるならば,完全広告視聴を選択する」であった(第3章第2節第2項を参照)。該当する条件において,完全広告視聴,不完全広告回避,および完全広告回避を選択した実験参加者の観測度数(/期待度数)は,それぞれ21(/15.588),12(/15.722),および10(/11.691)であった。Habermanの残差分析を行った結果,完全広告視聴を選択した者の観測度数は,期待度数と比べて有意に多いということが示された(d=1.845, p=0.065)。以上より,仮説2bも支持されたといいうるであろう。

最後に,仮説2cは,「予防焦点を有している消費者は,努力の有無を制御参照と見なす場合には,完全広告回避を選択する」であった(第3章第2節第2項を参照)。該当する条件において,完全広告視聴,不完全広告回避,および完全広告回避を選択した実験参加者の観測度数(/期待度数)は,それぞれ21(/27.550),22(/27.788),および33(/20.663)であった。Habermanの残差分析を行った結果,完全広告回避を選択した者の観測度数は,期待度数と比べて有意に多いということが示された(d=3.643, p=0.000)。以上より,仮説2cも支持されたといいうるであろう。

2. 考察

前節において報告した分析結果の中でも,とりわけ,次の2点が注目に値するであろう。第一に,仮説2cに関する条件――すなわち,実験参加者が予防焦点を有しており,努力の有無を制御参照と見なしているという条件――における調整済み残差dの値が,他のすべての仮説に関する条件におけるそれと比べて大きかった(d=3.643)。それゆえに,彼らが完全広告回避を選択する傾向は,非常に強いということが示されたといえよう。

第二に,仮説1bに関する条件――すなわち,実験参加者が促進焦点を有しており,広告情報がネガティブな結果に関する情報であるという条件――と,仮説2aに関する条件――すなわち,予防焦点を有している実験参加者が,ネガティブな結果に関する広告情報の有無を制御参照と見なしており,広告情報がポジティブな結果に関する情報であるという条件――の間で,調整済み残差dの値が同水準であった(d=2.131 vs. d=2.284)。それゆえに,促進焦点を有している場合と予防焦点を有している場合の間で,消費者が不完全広告回避を選択する傾向の強さは同水準であるということが示されたといえよう。

VI. 総括

1. 貢献

広告回避に関する既存研究は,不完全広告回避と完全広告回避を峻別してこなかったため,「なぜ広告に露出した消費者は,完全広告視聴を行ったり,不完全広告回避を行ったり,完全広告回避を行ったりするのか」という基本的な問いに解答を与えることができていなかった。このような現状に鑑みて,本研究は,制御焦点理論に依拠したうえで,上記の問いに解答を与えようと試みた。より具体的にいえば,表4に示されているとおり,完全広告視聴,不完全広告回避,および完全広告回避を巡る消費者の選択は,制御焦点(促進焦点/予防焦点[制御参照がネガティブな結果に関する広告情報の有無]/予防焦点[制御参照が努力の有無])と広告情報の訴求点(ポジティブな結果が得られる点/ネガティブな結果が得られない点)から影響を受けるという仮説を導出した。以上のようにして,本研究は,広告回避に関する研究領域に新たな展開を生み出すことに貢献したと見なしうるであろう。

表4

本研究の知見

2. 限界

本研究は,仮説1a~仮説2cと既存仮説群の関係性について探究することができなかった。例えば,促進焦点(/予防焦点)を有している消費者にとって,ポジティブな結果(/ネガティブな結果)に関する広告情報への懐疑心は弱く,そのような広告情報の有用性は高いという点を考慮すると,仮説1a~仮説2bは,「広告情報への懐疑心が不完全広告回避に正の影響を及ぼす」という既存仮説や「有用性が不完全広告回避に負の影響を及ぼす」という既存仮説とは整合的であろう。しかしながら,仮説1a~仮説2bとその他の既存仮説の関係性や,仮説2cとすべての既存仮説の関係性は曖昧なままである。この点を克服するために,制御焦点が,既存研究が識別してきた広告回避の前件要因(表1を参照)といかなる関係性を有しているかについて議論することが有意義であったかもしれない。

また,本研究は,被説明変数の測定方法に改良の余地を残していた。より具体的にいえば,広告に露出した後に選択した行為(完全広告視聴/不完全広告回避/完全広告回避)を測定する際に,最長で約10分前にとった行為について実験参加者に回答してもらったこともあり,彼らの中には,自身が選択した行為を正確に覚えていない者が存在したかもしれない。この点を克服するために,アイ・トラッキング法を用いることによって,彼らの視線の動きを測定することも有意義であったかもしれない。

3. 今後の課題

本研究の後続研究にとって,仮説1a~仮説2cの国際比較を行うことは,探究に値する課題であろう。というのも,比較的近年,広告回避に関する既存研究の一部は,複数の国や地域を対象とした分析を展開するようになっているためである(e.g., Prendergast et al., 2014; Rojas-Mendez et al., 2009; Seyedghorban et al., 2016)。今後は,Takeuchi(2017)が指摘した2点――すなわち,複数の国や地域の間の共通性と相違性に関する理論的な説明と,翻訳の同等性以外の同等性の慎重な吟味――に留意しながら,消費者の制御焦点と広告回避について国際比較を展開していくことが期待される。

また,本研究の後続研究にとって,状況要因によって引き起こされる制御焦点に着目することも,探究に値する課題であろう。というのも,本研究は,個人要因によって引き起こされる制御焦点のみに着目したうえで経験的テストを実施したためである。今後は,状況要因によって引き起こされる制御焦点に着目したうえで経験的テストを実施して,本研究と同様の分析結果が得られるか否かという点や,そのような分析結果が得られるのはなぜかという点について検討していくことが期待される。

謝辞

本研究の発表に際して,慶應義塾大学商学部の小野晃典先生には深く御礼を申し上げたい。なお,本研究は,慶應義塾大学大学院商学研究科 2017年度学事振興資金の助成を受けて実施した下記の研究に,大幅な改訂を加えた内容によって構成されている。

Takeuchi, R. (2018). Consumer choice between advertising viewing and avoidance. Progress Reports of Academic Development Funds in 2017 (Graduate School of Business and Commerce, Keio University), in press.(竹内亮介(2018).「広告視聴と広告回避に関する消費者選択」『慶應義塾大学大学院商学研究科 2017年度学事振興資金成果論集』印刷中)(In Japanese)

竹内 亮介(たけうち りょうすけ)

東洋大学経営学部講師。

2013年 慶應義塾大学商学部卒業,同大学院商学研究科 前期博士課程修了,後期博士課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員(DC1)を経て,2018年より現職。

専門は広告論,消費者行動論。

References
 
© 2018 The Author(s).
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