マーケティングジャーナル
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特集論文 / 招待査読論文
ボランタリーチェーンがもたらす地域商業に対する有効性
― コスモス・ベリーズの事例に基づく流通再考 ―
西村 順二
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2019 年 38 巻 3 号 p. 37-54

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抄録

本研究は,生産と消費をつなぐ流通・商業,特に相対的に小商圏を対象とする地域商業・流通における中小規模卸売業と中小規模小売業の環境適応に着目する。そして減退化に向かう地域の小売業に対して積極的に支援しながらも自身の成長を目指し,もって地域全体の商業・流通の活性化を図ろうとする卸売業の動向をボランタリーチェーンの事例を通して確認し,商業・流通の果たすべき役割の変化について検討する。

近年の卸売業と小売業の販売額推移をみると,本来は卸売業と小売業が連関性を持って,生産と消費をつないできた商業・流通にあって,全国市場を標的とする大規模な小売業・卸売業が減退し,小規模な小売業と中規模な卸売業において増大の傾向が見られる。中間流通として,小規模な小売業と中規模な卸売業を中心とした連関性が生まれ,全体としては減退傾向にある商業・流通において反転の動向を示している。この一つの事例としてコスモス・ベリーズは,ボランタリーチェーンの本部企業として,地域市場の小規模な小売業支援を行っている。バンドリング,ハブ&スポーク,業種を超えた業態対応の点で,優位性を保ち,流通フローを最適に流しているのである。

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© 2019 日本マーケティング学会
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