マーケティングジャーナル
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特集論文 / 招待査読論文
製品開発プロセスにおけるデザイン活用の有効性について
― ハプティック知覚の意味概念活性化の視点から ―
小川 亮
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2019 年 38 巻 4 号 p. 47-62

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抄録

本研究は製品開発プロセスの初期段階においてデザインを活用することの有効性を検証する。

開発初期段階のコンセプトテストにおいて,接触可能なデザインを活用することで情報の具体性が増加しその結果,消費者からの改良アイデアが出やすくなることについて2つの視点から仮説を構築し実証分析を行った。

1つは提示する情報が具体的であるほど,製品の改良アイデアが出やすいという解釈レベル理論に基づく仮説であり,もう1つは実際に製品を触れさせるという提示方法を用いることで,製品の意味概念の活性化が行われるため,改良アイデアが出やすいというハプティック知覚研究に基づく仮説である。富士里和製紙の製品開発プロセスにおいて実際に使用されたトイレットペーパーの提示物を用いて会場調査を行い,コンセプトテストにおいて文字で提示する場合と平面デザイン及び接触可能な立体デザインで提示する場合の改良アイデアの出やすさにおける差を検証した。その結果,文字情報のみを提示した場合と接触できる立体デザインを提示した場合では後者の方が具体性が高く,意味概念の活性化が行われ,改良アイデアが出やすいことに有意に差が見られた。

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© 2019 日本マーケティング学会
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