マーケティングジャーナル
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推奨意向の観点から見た自動車業界のショールームに対する一考察
加藤 拓巳津田 和彦
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2020 年 40 巻 1 号 p. 85-95

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抄録

Electronic Commerce(EC)の普及によって生まれた消費者行動に,ショールーミングがある。販売店で確認した商品をインターネットで安価に購入する行動を指す。これは実店舗で販売する企業にとって大きな脅威であり,産業界・学術界ともに大きな注目を集めている。しかし,自動車業界に目を向けると状況は異なり,依然として販売店での購入が主流である。そのため,ショールームの現状評価やあり方の議論は不十分になっている。本研究では,日本の自動車業界を対象に,テーマパークやカフェ等の多様な形態のショールームへの訪問経験が消費者の推奨意向に与える影響を検証した。オンライン調査で得たデータをもとに,傾向スコアによって因果効果を推定した結果,有意な効果は見られなかった。推奨意向を有する要因としては,商品より販売店の観点が多く,礼儀・親近感・特別感が抽出された。EC化がそれほど普及していない業界では,購入行動に直結する動線設計は難しいと考えられるが,推奨意向の形成要因を把握したうえで,それを一貫して経験できる場の設計は重要であろう。

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© 2020 日本マーケティング学会
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