マーケティングジャーナル
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特集論文 / 招待査読論文
移動距離によるアニメ聖地巡礼者の行動特徴
― 聖地巡礼ノートの分析から ―
津村 将章大方 優子岩崎 達也豊田 裕貴
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2024 年 44 巻 1 号 p. 47-57

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抄録

アニメ聖地巡礼は,新しい形のコンテンツツーリズムとして注目されており,観光のみならず地域振興にも影響を与えることが分かっている。アニメ聖地巡礼を行っている旅行者は全体の12%程度であり,再訪率の高さや動機など,多くの知見がこれまでの調査からも明らかになっている。しかしながら,アニメ舞台(聖地)を旅する聖地巡礼者は,どこから来て,何を求めているのかの詳細については,まだ十分に明らかになっていない。そこで,本研究では聖地巡礼者がその目的地である聖地で聖地巡礼ノートにどのような書き込みを行っているかに着目した。旅においては,移動距離は行動を規定する重要な要因となる。そこで,ターゲットの異なるアニメ3作品の聖地巡礼ノートを対象として,出発地から目的地までの移動距離に着目して分析を行った。その結果,近距離旅行者と長距離旅行者とでは書き込み内容が異なることが確認された。近距離旅行者はキャラクターやイベントなどに関する書き込み比率が高く,長距離旅行者は聖地である地域の魅力についての書き込み比率が高いことが明らかとなった。

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© 2024 The Author(s).

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