2021 年 2 巻 1 号 p. 47-52
本研究では,サービスエンカウンターでの価値創造の資源統合について再検討し,価値共創における社会的な文脈の重要性を議論する。サービス提供者がサービススクリプトを活用することでさまざまな資源を統合させ,またそれを記録することによって顧客のサービス再利用の際に価値共創の品質をより高めることを可能にしていることを指摘する。事例として,多くの再利用者を扱う美容師と顧客のやり取りを調査し,美容師である店長が顧客と相互作用するプロセスをどのように記憶し,サービススクリプトに何を記録しているのか,また,記録したサービススクリプトをどう再利用しているのかを観察とインタビューを通じて探索した。