マツダ技報
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論文・解説
CO2とVOCを同時に削減するVOC回収技術の実現
加藤 雄篠田 雅史寺本 浩司
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2021 年 38 巻 p. 117-119

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抄録

世界規模で環境保全への意識が高まる中,自動車生産における環境負荷物質の排出量低減の取り組みは非常に重要である。当社は,技術革新で工程や機能を集約する考え方により,自動車塗装工程から排出されるCO2と揮発性有機化合物(Volatile Organic Compound,以下VOC)を包括的に削減する取り組みを継続している。

自動車塗装工場における一般的な塗装乾燥炉では,塗料に含まれるVOCを燃焼処理し無害化しているが,燃焼方式という特性からCO2,窒素酸化物(Nitrogen Oxides,以下NOX),煤塵などを発生させている。今回,省エネルギーに配慮したシステム設計を行うことで乾燥炉の排気ガスからVOCを回収する技術を開発し,電着乾燥炉に導入した。その結果,燃焼式排気処理の休止とクローズドシステムによる排気ガスの排出ゼロを実現し,CO2とVOCの同時削減を達成した。

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