マツダ技報
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Print ISSN : 0288-0601
論文・解説
車両機能と材料特性をつなぐマルチスケール解析技術の研究
西田 健二氷室 雄也河村 力本田 正徳藤元 伸悦
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2021 年 38 巻 p. 144-149

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抄録

低燃費のための車体軽量化と,クルマの商品性向上のための操縦安定性能や乗り心地性能の両立が求められている。これら要求を同時に満足するには,材料・部品・車体の各スケールをつないで材料と構造の両面で機能を最大限に引き出すことが必要である。しかしながら,現状は,材料と構造の個々のモデルは存在しているが,それぞれのモデルをつなぐ方法論は確立されていない。そこで,車体性能からバックキャストして革新的な材料技術を創出することをねらい,材料モデルから車両の構造モデルまでをつなぐ技術開発に着手した。今回,樹脂複合材による車体性能の向上を題材に,材料から車体モデルまでのインプットとアウトプットをつなぐ手法を構築した。これにより,材料特性から車体性能を予測する順解析と,車体性能を満足するための構造・材料の指針を導出する逆解析を行うことが可能となった。本稿ではその取り組みについて報告する。

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