抄録
混合プラスチックから高純度で単一素材のプラスチックを選別回収する手段として,高精度・非接触・高速という光学識別の特徴を活かしたソーティング機器は不可欠なものである。その開発の動向を,主に光計測技術の面から明らかにした。まず,光学識別の基礎となる分光測定について解説し,光学識別がプラスチック選別回収フローの中で使われている状況を概観した。具体的な光学識別手段として,近赤外吸収,中赤外吸収,ラマン散乱,透過 X 線による方法を取りあげた。近赤外吸収法では性能向上が著しい分光カメラによるハイパースペクトルイメージングについて,ソーティングで利用した際の性能を評価した。中赤外吸収法では今までにない新しい黒色プラスチック識別の例を紹介した。ラマン散乱法では著者らの開発したソーティング装置の長所短所をまとめた。X 線透過法では RoHS 指令への対応を考慮した臭素系難燃剤を含むプラスチックの除去や使用済み自動車由来のプラスチックに多く含まれるタルクの検出について紹介した。