2019 年 30 巻 2 号 p. 98-105
プラスチックによる環境汚染は,国際的に対応すべき緊急課題である。国連環境計画 ( UNEP ) は国連環境総会 ( 2014 年から 3 回開催 ) において,海洋ごみおよびマイクロプラスチックに関する決議を採択し,科学的知見を収集した報告書の取りまとめ,既存の国際的・地域的なプラスチック対策に関する戦略や規制の有効性評価等の検討を重ねている。また,バーゼル条約では,第 14 回締約国会議 ( 2019 年 5 月開催予定 ) において,附属書改正により規制対象の明確化が図られる見込みである。このほか,プラスチック廃棄物に関するパートナーシップの設立,途上国や新興国におけるプラスチック対策のための資金・技術支援,関連する国際機関や地域協定等との協力・調整体制の強化,市民の意識向上・教育・情報の共有,技術ガイドラインの作成,プラスチック対策に関する具体的な数値目標の設定,政策の効果測定に必要な情報収集,技術革新・研究開発や科学的知見の収集への支援等が検討される。