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第34回メディシナルケミストリーシンポジウム優秀賞受賞
経口投与可能な新規低分子PTHR1アゴニストPCO371の創製
西村 祥和江崎 徹一色 義明古田 佳之田村 達也
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2017 年 27 巻 3 号 p. 153-159

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抄録

副甲状腺ホルモン(PTH)は、class B G protein coupled receptor(GPCR)であるPTH1型受容体(PTHR1)に作用し、生体のカルシウム維持に重要な役割を果たしている。ヒトPTH(1–34)やヒトPTH(1–84)は、骨粗鬆症や副甲状腺機能低下症の治療薬として使用されているが、ペプチド製剤のため皮下投与が必要となっている。そこで筆者らは、患者さんのQOL向上を目的とし、経口投与可能な新規低分子PTHR1アゴニストの創薬研究に着手した。高感度細胞系HTSから、活性は弱いもののスピロイミダゾロン構造を有するHit化合物を見出した。Hit化合物の構造最適化を行った結果、世界初の経口PTHR1アゴニスト、PCO371の創製に成功した。PCO371は高いPTHR1選択性を示すアゴニストであり、副甲状腺機能低下症モデルラットへの6.5mg/kgの経口投与で、低下した血清カルシウム濃度を正常の範囲に上昇させた。本稿では、スピロイミダゾロン誘導体の合成、構造活性相関、反応性代謝物の回避やin vivo活性に関して紹介する。

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