2017 年 27 巻 4 号 p. 195-199
PIポリアミドの配列特異的な結合親和性を基盤として、筆者らは機能性PIポリアミドの合成と機能評価を進めている。機能性PIポリアミドの開発によって、ゲノムプロジェクトから得られた膨大な塩基配列情報を創薬に応用できる可能性がある。共有結合を形成するDNA損傷制御型PIポリアミドによって、ヒト細胞に対してさまざまな遺伝子群を標的にした強い発現抑制機能が期待される。また、エピジェネティクス制御型PIポリアミドは、将来的に人工転写因子の1種として特定遺伝子発現の活性化に応用されることができるだろう。ここでは、筆者らの機能性PIポリアミドの遺伝子制御技術としての可能性を解説する。