医学教育
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報告
共用試験OSCE後の臨床実習における模擬患者による医療面接実習の意義と問題点
舛形 尚岡田 宏基余島 侑子合田 文則河野 武章山上 あゆむ奥山 浩之樋本 尚志千田 彰一
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2009 年 40 巻 3 号 p. 175-179

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抄録

1) 香川大学医学部では5年生の臨床実習において,共用試験OSCE (objective structured clinical examination)の医療面接で模擬患者(SP: simulated patient)を演じた市民ボランティアSPによって医療面接実習を行っている.本報告では,医療面接実習を受けた5年生90人のアンケートによる感想・意見をまとめることによって,SPによる医療面接実習の意義と問題点について考察する.
2) 学生の意見の多くは,面接中のビデオ収録を用いた振り返りによって改善すべき点に気づき,SPからのフィードバックも学習に有用というものであった.一方,少数意見ではあるが,もっと厳しいフィードバックや指導が欲しいという要望もみられた.
3) 臨床実習において,共用試験OSCEに準じたSPによる医療面接実習を行うことは有意義であるが,フィードバック改善のためのSP教育やシナリオの工夫が今後必要と思われた.さらに実習回数を増やすことによって医療面接能力改善が得られたか否かの評価を行うことも今後の課題である.

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© 2009 日本医学教育学会
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