2010 年 41 巻 6 号 p. 429-434
本研究では,平成17年に入学した藤田保健衛生大学医学部学生を対象に,入学直後と4年生3学期にそれぞれ学習意識調査を実施してそのデータを解析した.この意識調査に回答した87名の学生を,2年次の年間総合成績で成績上位1/3,中位1/3,下位1/3の3群に分けた.
1) 入学直後には3群のいずれにおいても,ほとんどの学生が入学後"勉強を中心に生活したい"と回答したにもかかわらず,4年終了時には成績中位1/3,下位1/3の学生においては"勉強を中心に生活した"との回答が著しく少なかった.
2) "医師のイメージ"について,成績上位1/3の学生では入学直後と4年終了時の回答結果には変化がみられないが,中位1/3,下位1/3では大きく変化していた.
3) 成績が悪い群ほど欠席が多い傾向にあり,この傾向は1年から既に始まっていた.また,この群は講義や勉強に対するモチベーションが低下していることが4年終了時の回答結果から明らかになった.