2013 年 44 巻 2 号 p. 63-70
背景 : 医学部の国際認証の議論が進む中,日本における教育認証評価機関のあり方を具体的に検討することが求められている.
方法 : GMC(英国医事委員会)で教育質保証が導入された経緯と具体的なプロセスについて,英国調査をもとに明らかにする.
結果 : 2003年を境にGMCにおける教育質保証は,「点検型」から「対話型」へ移行した.現在では,各医学部がGMCと関わりながら,自らの教育改善・向上に継続的に取り組むことの促進が中軸となっている.
考察 : GMCの教育質保証は,(1)医学部が自らの教育の現状を理解し,改善・向上への強いインセンティブとなっている点,(2)「何のための教育質保証なのか」への共通認識を構築することがその基盤となっている点は,日本への積極的示唆となる.一方で,膨大なコーディネート業務を行う体制整備が課題となる.