2015 年 46 巻 2 号 p. 142-147
千葉大学医学部では多年次にわたるプロフェッショナリズム教育カリキュラムを実施している. カリキュラムは医学部単学部教育と専門職連携教育が組み合わされたものである. 学生は, 低学年ではプロフェッショナリズムの定義と倫理を講義や患者が参加するワークショップで, 臨床前には医師のシャドウイングを行うことで専門職としての態度と行動を学ぶ. 臨床実習では2回のワークショップで自らの態度と行動をプロフェッショナリズムの視点から振り返る. 専門職連携教育プログラムでは看護学部と薬学部の学生と共に, 学年に合わせた専門職連携のスキルを毎年学んでいく. 学生たちは, 他の専門職との対比を通じて医学教育の最も大切なゴールである専門職としてのアイデンティティーを修得する. 単一学部のプログラムと専門職連携教育プログラムの両方を毎年繰り返し行うことが, 学生の専門職としてのアイデンティティー修得に重要である.