心理・行動・社会的な要因の健康や病気への影響は明らかであり, 医療におけるそれらへのアプローチは重要である. 医学教育のグローバルスタンダードの観点からも, 行動科学・社会科学分野を強化した医学教育カリキュラムが必須である. 米国の同分野の教育内容は6つのドメイン, 健康と病気における心身の相互作用, 患者の行動, 医師の役割と行動, 医師患者の相互作用, ヘルスケアにおける社会的・文化的な課題, 健康に関する政策と経済からなる. わが国の文化・社会背景を考慮し, 行動科学・社会科学を医学教育カリキュラムに導入するため, 教育アウトカム, 方略, アセスメント, 教員養成の開発を進める必要がある.