2015 年 46 巻 5 号 p. 419-424
地域医療への志向性や診療科選択について地域枠学生と一般枠学生の比較をした意識調査は少ない. 本研究は岐阜大学医学部医学科の1〜5年生を対象に, 将来働きたい勤務地や医療機関, 希望する診療科, 地域医療のイメージに関する質問紙調査を行った. 欠損値のない回答者335名 (地域枠 : 一般枠=81 : 254) を分析対象にした. 一般枠学生に比べて地域枠学生は, 都市部より地方の中核・小規模病院での勤務を希望し, 小児科のようなプライマリ・ケアの要素が強い診療科を希望した. また, 学年を通して地域医療にポジティブなイメージを抱いていた. 今後は, 卒後, 地域枠学生が実際にどのように地域医療に従事していくのか追跡する必要がある.