2020 年 51 巻 5 号 p. 585-589
背景 : 臨床未経験の学生は臨床でのコミュニケーションエラーを想像しづらく, その早期からの教育が難しい. そこで, 学生の理解を促すため, ボードゲーム (BG) を開発し, 実践した. 方法 : BGは患者名が記されたボードと, 薬品名等が書かれたカードから成る. 学生は教員の指示に従ってカードをボードに置く. 指示には実際の事故例に基づくトラップを複数含め, 学生にエラーを体験させた. 省察 : 本BGは学習内容を単純化し, 楽しく学ばせるゲーム要素と, 事故例を基にエラーを忠実に再現したシミュレーション要素を含む. この両立により, 臨床未経験者への安全教育でもARCSモデルの各要素をバランスよく感じさせられた可能性がある.