2020 年 51 巻 6 号 p. 691-695
教育参画の重要性が指摘されているが, いかにしてその「参画」が達成されるかの知見は十分に蓄積されていない. 京都大学では, KS-CoMという学生サークルにより, (1) 学生と教員の双方向のコミュニケーション, (2) 卒前医学教育のあり方の問い直しを目的として, 2016年から「学生と教員の懇談会」を始めた. 試験の過去問の扱い, 成績評価の方法, 実習内の講義等について, そもそもその教育がなぜ行われていて, 学生および教員がどう受け止めているか, という双方の考えを明確にするように進めた. 学生が "半オフィシャルな場" を設けて教育を前提から検討することが, カリキュラム形成などのパートナーシップ型の教育参画に有効であると考えられる.