少子高齢化社会の背景と令和2年度からの調査を踏まえ, 患者の抱える問題を臓器横断的に捉えた上で, 心理社会的背景も踏まえた総合的な視点とアプローチの必要性が示され, 医学教育モデル・コア・カリキュラム (令和4年改訂版) に総合的に患者・生活者をみる姿勢が資質・能力に新設された. 下位目標として「全人的な視点とアプローチ」「地域の視点とアプローチ」「人生の視点とアプローチ」「社会の視点とアプローチ」が位置づけられた. 抽象と具体, 概念と経験, 自己と他者等の視点を統合し, 自己の在り方を省察できるような複数の学習理論を踏まえた教育方法が提案された. このような医学教育を通じて, 患者・生活者のウェルビーイングが向上することを期待する.