1994 年 25 巻 6 号 p. 349-354
わが国の医学部においては, 伝統的な受け身の講義と実習からなるカリキュラムが多い.変革する社会ニーズを察知し得る医師を養成するには, 受動的な教育システムでは不十分である.本学の社会医学の新しいカリキュラムにおいて, われわれは医学生を「初めて遭遇した事実から考える」グループと「方法論から考える」グループの2つの小グループに分けて学生研究を実施させた.両者において, 社会医学的な問題に目を向け, 問題解決を目指す学習が達成できたと思われる.社会医学の教育改善に以上のようなスモール・グループ・ダイナミックスの導入は, 有効な教育技法であることが示唆された.