医学教育
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筑波大学医学教育における「カリキュラム室」の役割
森田 倫子林 英生工藤 典雄阿部 帥田村 昇
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1995 年 26 巻 1 号 p. 26-32

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抄録

筑波大学の医学教育は従来の伝統的カリキュラムを廃止し, 開学当初から統合カリキュラムを実施してきた. そのために, カリキュラムの立案から評価までを, 学生・教官・管理事務から分離・独立した組織として, カリキュラム室を設置してきた. カリキュラム室は, カリキュラムのプランニングから評価までを, 学群長, カリキュラム委員会およびコーディネーター (学年別, コース別に教官が分担) の指示のもとに次のような実務を行う. 1) 各学年のカリキュラム編成, 2) 担当教官, 担当時間の調整, 3) コースごとの教科書・実習書の編集, 4) 試験問題の出題依頼, 問題および解答用紙の編集, 5) 採点集計表, 成績判定資料の作成, 6) 教育研究の補助など. 統合カリキュラムの実施にともなうこのような煩雑な実務を専任職員3名が分担してきた実状を紹介し, 今後, 単位制の導入や選択制の併用などにより, ますます煩雑化するカリキュラム編成や入試方法の多様化, 自己点検・評価など実施のためには, 本カリキュラム室をさらに発展させた,「医学教育評価・開発ステーション」にする必要がある.統合カリキュラムを主軸とした医学教育を組み立てるためにはカリキュラム室のような組織の設置が必須条件である.

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