1996 年 27 巻 1 号 p. 49-54
面接調査から, 医師が告知についての態度を形成する過程と影響要因を探った. 伝統的やり方の踏襲, 臨床経験, 個人的価値観が主な要因としてあがった. 伝統的やり方の踏襲には, 先輩医師の指導や, ケアチームの中での統一の必要性, 社会通念の優先, 新しいことをした場合の責任の回避が関連していた. 臨床経験には患者との深い関わりと, 日常のスムーズな患者管理の2側面があった. 医師個人の価値観が告知に関しては重視されるため, ピアレビューや倫理教育には懐疑的な医師が多かった.