医学教育
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英国における卒前, 卒後医学教育の調査
とくに家庭医教育を中心に
岡村 健二
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1996 年 27 巻 2 号 p. 109-113

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抄録

英国におけるNHS制度に基づく家庭医制度の根本は約99%の国民が登録する家庭医のもとでプライマリ・ケアを受け, 必要に応じて家庭医の紹介で病院に勤務する専門医を訪れるという明確な役割分担のなかで約40年かけて発展してきた制度であり, わが国の医療制度とは著しい相違がある. しかしながら同国の家庭医教育制度の調査から, 総合的医療をできる医師育成のためにいくつかの有益な知見を得たので以下の提案を行いたい.
1. 卒前早期の段階からの基礎医学と臨床医学の統合教育とともにcornmunity-basedの教育を導入する. 2. 卒直後におけるcommunity-basedの研修を含む幅広い分野の臨床研修を義務づける. 3. 国際化の進展のなかで世界の医学・医療の動きを把握するために研修医の国際交流を促進する.

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