1987-1989年の医学部入学者318名を対象に選抜方法および入試成績と入学後の経過との関連を追跡調査中である.本論文では, 入学後成績や留年・退学の発生, 医師国家試験合否は, 他大学卒業者がもっとも良好な経過を示し, 推薦入試入学者, 一般入試現役入学者がこの順で続き, 3浪以上の多浪入学者がもっとも不良であることを報告した.他大学卒業者は, 医学の高度化に伴う学際領域の重要性や生命倫理などの社会的課題の重要性の増大からも, その意義が重視されるべきであろう.推薦入試については高校側の受験対策的対応が危惧されるが, 現役学生を確保するという意義が大きく, 選抜方法改善の努力をさらに続ける必要がある.