医学教育
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卒前臨床実習の実態と課題
アンケート調査結果報告
徳永 力雄桜井 勇伴 信太郎福井 次矢堀口 正治生駒 尚秋小寺 一興神津 忠彦日下 隼人森田 孝夫小口 勝司尾島 昭次田中 勧梅里 良正内山 安男堀 原一
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1997 年 28 巻 4 号 p. 197-203

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抄録

日本の医科大学における卒前臨床実習の実態を, 医学部ならびに臨床実習担当診療科を対象に質問紙法により1996年2月に調査した. 医学部からの回答率は81%(65大学), 診療科からの回答率は約54%(1,328科) であった. 各大学が実行していると回答した割合は, clinical early exposure83%, 臨床クラークシップ28%, 実習到達目標の明示75%, 学生の医行為水準の明示66%, 学生実習に対する患者への説明と同意77%, 実習開始前の学生の能力の評価40%, 実習終了後の総括的評価72%, 教授法ワークショップ51%, などであった. 指導医師数は89%が不足と回答した. 各診療科の回答もほぼ同様であったが, とくに指導スタッフの不足, 学生の学習意欲と基礎的知識技能の不足に対して意見が多かった. 大学および診療科において, 臨床実習の充実のために臨床クラークシップの導入や学外施設との連携など多様な改善を予定していることが判明した.

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