医学教育
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卒後における総合診療教育内科専門医制度と総合診療教育
福井 次矢
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1997 年 28 巻 6 号 p. 417-420

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抄録

内科専門医制度と総合診療はともに, 1970年代, 臓器にとらわれない, 全人的医療 (primary care~generalism) を担う医師を養成するというほぼ同じ目的で発足ないし設立されてきたものである. しかしながら, 内科専門医制度は臓器別細分化を極めることを至上命題とする内科学会という巨大な組織のなかでの, いわば本流から離れた一般内科学の追求を出発点にしているのに対して, 総合診療は, 必ずしも内科学にとらわれない社会全般の視点から要請された全人的医療の追求である, という微妙かつ本質的な差がある. 内科専門医制度, 総合診療部門とも, 理想とするprimary care~generalismの専門性を具現し, 一般診療の質が向上することを実証することによってのみ, 今後, 若い医師のこの分野への参入を促すことができるものと思われる.

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