医学教育
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四肢障害のある医学生の修学事例の検討
垰田 和史
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1998 年 29 巻 4 号 p. 245-251

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抄録

滋賀医科大学では, クラブ活動中の事故による頚椎損傷で四肢麻痺となった学生の修学事例を経験した. 受傷後の修学継続は, 学生の意志と修学能力と健康状態に基づいて教授会が許可した. 教授会の下に, 教官, 学生と事務官からなるワーキンググループを構成し, 卒業に至るまでの種々の支援を行った. 修学中の学習補助や生活介助は同級生が担当し, 健康管理は主治医と連携して健康管理センターが担当した. 修学のためには, 特殊車両やコンピュータ操作のための補助具などの開発が必要であった. 障害のある学生と学んだことを同級生は高く評価しており, 学生全体が障害者に対しての理解を深めた. 障害の有無に関わらず, 修学能力のある学生については教育方法などを工夫することで医学教育を行うことは可能であると判断された.

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