1998 年 29 巻 4 号 p. 253-255
医学教育振興財団主催の第10回医学教育指導者フォーラムにおける米国ハーバード・ベス・イスラエル教育研究財団専務理事Dr. Michael Rosenblattと英国レスター大学医学部長Dr. Frank Harrisの講演概要を紹介した. 英米での医学教育改革を国情・教育システムが異なる日本にそのままあてはめることはできないが, 日本における改革のモデルとして検討する価値は大きい. 両大学における改革の共通点は講義を最小限に抑え, テユートリアルなどによる学生の自主学習にゆだね, コミュニケーション技法を含む患者診察能力の教育に限定されつつあるという点であろう. また, 研究よりも教育業績を主体に教授を選ぶというハーバード大学における新方式の実施は画期的である.