医学教育
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天理よろづ相談所病院救急外来研修の果たす一般外来研修としての役割について
大西 弘高石丸 裕康松本 正俊井上 信明山田 哲也山敷 宣代岡崎 研太郎中井 浩八田 和大今中 孝信小泉 俊三
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1999 年 30 巻 6 号 p. 413-418

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抄録

〈目的〉初期臨床研修における, 一般外来研修としての救急外来研修の意義について分析する.〈方法〉1年目研修医11名が天理ようつ相談所病院救急外来で診察した症例について調査票に記載し, これを分析した. 1) 救急外来での主訴頻度について横断的に調査し, 総合外来の主訴頻度と比較検討. 2) 最終診断に基づいて, 救急外来での診断内容, 診断過程について評価.〈結果〉救急外来の89例と総合外来の183例の主訴の頻度分布には強い相関 (p=0.0016) が見られた.救急外来での正診率は58%, 対応に問題があった率は3%であった.〈結論〉天理ようつ相談所病院救急外来は, 総合外来と同様の主訴の分布を示し, 初期臨床研修での外来研修の場として一定の役割を果たしていた.また, 1年目研修医が自らの判断で検査や上級医へのコンサルテーションを行うという研修方式について, 救急外来での初期対応に関する限り現状では大きな問題が生じていなかった.

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