医学教育
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医療面接技能の客観的臨床能力試験 (OSCE) による評価
特に認知行動特性との関連について
斎藤 清二松井 三枝牛 麗沙渡辺 明治
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2000 年 31 巻 4 号 p. 213-219

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抄録

医学部5年生36名を対象に, 模擬患者の協力を得た客観的臨床能力試験 (OSCE) による医療面接技能の評価を行った. 受験者の認知行動特性を7種類の評価尺度 (locus of control, 社会的スキル, 自尊感情, 一般性自己効力感, 医療面接特異的自己効力感, 自己認知, 対人認知) を用いて評価し, 医療面接技能との関連性を検討した. OSCE前にスモールグループによる医療面接技法教育を受けていた者は 「全体のまとめを示す」 の項目で有意にOSCEにおける評価者得点が高かった. 評価者得点と正の相関を示した認知行動特性は, 対人認知尺度における 「個人的親しみやすさ」 だけであった. 医療面接技法のうち 「要約と確認」 のカテゴリーのみにおいて, 自己効力感尺度と評価者得点が正の相関を示した. 結論として, 1) 少なくとも今回検討した認知行動特性の相違は医学生の医療面接技能修得の妨げにならない, 2) 「要約と確認」 は重点的に教育する価値のある医療面接技法である, の2点が示唆された.

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