医学教育
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医師免許取得直後の研修医に対する医療面接研修
伊賀 幹二石丸 裕康郡 義明
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2000 年 31 巻 6 号 p. 483-486

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抄録

1999年度に採用された11名の研修医全員に対して, 医師免許取得直後に総合外来でマンツーマン指導の医療面接研修を行った. 研修医は, 検診で指摘された異常項目の精査希望例を除く初診患者に対して, 15分以内に受診の動機, 主訴および時系列に現病歴を記載するように指示を受け, その後指導医と主訴に対するアプローチを論議した. 研修医1名あたりの経験症例数が約10症例に達した時点でこの研修を終了とした・主訴の内訳のうち・日本内科学会が初期研修としてそのアプローチを習得すべきとしたものが72%であった. 研修医は,「受診の動機を明確にし, 患者の解釈モデルを理解し, 必要な現病歴を時系列に述べる」能力については, この研修により向上し, 半数以上の研修医が習得できたと自己評価した. しかし,「一般血液検査, 心電図, 胸部X線の有用性と限界を理解する」「医療面接から緊急性の有無が判断できる」「次回の診察予定をたて, それまでの薬剤を処方できる」については研修により向上したものの, 可能となったと自己評価した研修医は3名以下であった.

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