医学教育
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来院時心肺停止症例から研修医が学ぶべきこと
大学病院救急部における心肺蘇生経験の実際とその意義の検討
加藤 博之瀧 健治伊藤 洋子
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2001 年 32 巻 3 号 p. 183-186

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抄録

1年間の来院時心肺停止 (CPAOA) 症例47例を分析して, 研修医の心肺蘇生経験の実際と, その意義について検討した. 分析対象症例の原因疾患は内因性31例, 外因性16例であり, 蘇生例は11例で, 1例が生存退院した. 46例の死亡例のうち死亡診断書交付例は25例 (検視施行7例), 死体検案書交付例は21例 (全例検視施行) であった. 29名の研修医 (研修期間3か月) のうち51.7%, 79.3%, 82.8%, 89.7%の研修医がおのおの, 蘇生の成功, 外因性疾患によるCPAOA, 死体検案書交付例, 検視を経験していた. CPAOAを含む多数の救急患者を受け入れる大学病院の研修プログラムを通じて, 研修医は非常に高率に心肺蘇生の実際の経験ができることが示唆された.

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