2002 年 33 巻 3 号 p. 163-172
“ミニッツペーパー” を用いた学生による授業評価が教員の授業改善に役立っているかを検討した.“ミニッツペーパー” は, 10段階評価が3項目 (総合評価を含む), 2段階評価が8項目からなる. 東海大学医学部で講義を行っている全教員202人を対象とし, 年間を通じて各自1回評価した. このうち73人は初年度 (1999年) と次年度 (2000年) の連続評価を用い, 初年度の総合評価得点により上・中・下位の3群に分けた. 次年度は, 上・中・下位では評価の向上は認められなかったが下位群では評価点数の上昇が認められ, その改善率も上・中・下位に比べ大であった. すなわち本学においては “ミニッツペーパー” を用いた授業評価は評価下位群の教員の授業改善に役立っている可能性が示唆された.