2003 年 34 巻 1 号 p. 21-28
ビデオを用いた医療面接のトレーニング法にはすぐれた教育効果があると言われている.われわれは医学部5年生に対する神経科精神科の臨床実習でこの方法を試みた.面接の評価にはOSCEと患者評価を用いた.OSCEからみた学生の面接の特徴として, 面接後半での症状の探索, 共感的理解, 要約, 次のステップへのつなぎ, 主訴の中の場所や性状の聞き出し, 既往歴・家族歴や解釈モデル, 明確化と沈黙の高度な技法などが苦手であった.患者評価は教官の評価よりも概してよかった.被面接者として精神科患者に参加を求めることには長所と短所があり, 今後は模擬患者の活用を図りながらわれわれの教育プログラムの妥当性をさらに検討したい.