2003 年 34 巻 1 号 p. 29-33
現在, problem based learning (PBL) 方式を取り入れたグループ学習が広く行われるようになってきている. しかし, 全面的に本方式を取り入れるには難しい点も多い. そこで, 在宅医療実習の実症例に基づいた, PBLを実施することを試みた. その結果, 在宅医療実習は学生・教員の双方にとって, 1) 実例の患者さんの実態を把握, 理解する, 2) 興味ある分野について話し合い再確認する, 3) 医療の多面性について体験し問題点を考察する, などの点について極めて有意義であった.これらの視点から, 在宅医療実習における実例教育は効果が期待できPBLを取り入れやすい分野であると考えられた.