2003 年 34 巻 1 号 p. 57-60
多くの医学生は社会医学系の課題に比して臨床医学に関わりがある課題に興味を持っているように思われる.両課題を用いた小グループ問題基盤型学習を通じて, 学生の興味の持ち方が社会医学系の課題と臨床医学系の課題で異なるのか, 課題に対する興味の持ち方は学習過程で変化があるのかについて検討した.学習前の学生の興味は, 産業・環境衛生に沿った課題より臨床医学や実地の医療についての課題に対して高かった.学習後は両課題とも学生の興味が増加し両課題間の興味の有意差がなくなった.特に社会医学系課題への興味の増加が大きかった.問題基盤型学習において学習課題に対する学生の興味を把握しておくことは有用であると思われた.